若狭 加茂上城+加茂下城



ファイルNo3592

新保山城を守る支城群のひとつ

             加茂上城の堀切               

@ かもかみじょう・かもしもじょう 
  別名 加茂堡(かもほう)・加茂城・加茂塁

A住所:小浜市加茂
B目標地点:高森神社・加茂北古墳・加茂神社
C形式:山城  D比高:180m 
E現況:山林

F遺構等:郭・土塁・堀切・石積み?
G時代/人物:戦国期/白井氏
H満足度: 凸凸
I最寄の駐車位置からの主郭までの所要時間:
  麓から40分

J撮影・訪問時期:2019年08月

  

道案内 ←上城  ←下城  ←登城口

若狭自動車道の若狭上中インタで下り、県道22号線を南下します。約6.5km先の脇袋北の信号で右折し国道27号線に入ります。約4Km先の上中駅を越えてすぐの井ノ口の信号を右折し県道22号線に入り踏切を越えます。800m先で北川の橋を越えた信号で左折し県道24号線に入ります。約5Km先の上野木の信号で右折し県道219号線に入ります。約3km先で右折し、約1.2km先左手が登り口ですが、車の場合はそのまま100m先を左手方向(加茂古墳の標識あり)に入り、約300m先の古墳、及び、アイザワ商店さんという田舎カフェ(土日月営業)の駐車場をお借りします。
 
訪城備忘録

明瞭な道はないようです。地図には林道のようなものが描かれていますが、私は行ってませんが、知人の情報では麓側は立入禁止の標識があるようです。また、上城主郭下東尾根から下りてみましたが、地図上の道は無く崩壊しているようです。 登城ルートとしては基本は支尾根を登るしかないと思います。高森神社の手前で斜め右上に登る小道があり登ると建物があります。この背後は墓地で、墓地の背後に行くとフェンスのゲートがあります。この周囲はここの城主である白井氏の居館跡とも言われています。ゲートをくぐりフェンス沿いに右手尾根先端の南側に回り込んでから尾根先端に登ると加茂下城の先端郭です。ここから段郭が三段ほどあります。三段目の尾根側に土塁があって、その先の尾根に三重堀切が残ります。この三重堀切、夏場でも綺麗に見られます。ここから登りの支尾根を山頂に向かって登って行くことになります。資料では小郭が続いている感じですが、現地は枯れ木の密集地帯であったり藪であったり、シダ地であったりして悪戦苦闘しながら頂上まで登ることになります。

私はこの日、登城口が変わらなかったので、加茂北古墳の背後のフェンスから入り、中腹まで直登して上城を見た後、帰りは前述の案内ルートを通って下城を見て戻りました。上城に行くまでの尾根は先に書いたような藪ですが、一部、小郭で石積みの痕跡ではと思わせる石列があったりします。主要部に近づくとまずは支尾根に突き出したような長い郭に至ります。削平はしっかりしています。その上に薄くて堀切?という感じの箇所があり、土橋にもなってます。最後の斜面を登ると主郭部です。南側の段郭に至ると目の前が主郭の切岸です。左に回り込むと西から北側につながっている帯郭、及び、主郭があります。主郭は五角形とされ、死角をなくすための形状とも言われるようです。西側帯郭の北側が凹んでいて西側斜面に解放されてます。虎口と思います。資料ではこの虎口の先の斜面、いったん自然斜面ですが比高30mほど下りると郭群があるようです。(しんどくて行きませんでした。^^;) 虎口の外側面には石列があり、石積みと思われます。 この虎口の主郭側にはスロープ状の土塁があります。まさしくスロープだったんでしょうね。虎口の凹みの横(西側帯郭)には小石が集積されているように見えます。石礫でしょうか? 北側の帯郭を主郭東側に回り込むと一気に落ちています。大きな堀切で、堀切から北側に落ちる竪堀も鋭いです。大木が堀切に覆いかぶされように倒れているため上からは見にくいですが、堀切の中に入るとなかなか鋭いのがわかります。 堀切の先の尾根に進んでみましたが、ピークが二つあったり、鞍部があったりしますが、郭や堀切のようなものではなかったです。近くの新保山城も道が無く苦労しますが、両城とも遺構としては見所はありますね。

中腹からの眺望
歴史

築城時期、築城者は不明とされますが、戦国期、若狭守護武田氏の家臣の白井氏が築いたとされます。下城は永正年間中期(1504〜20年)に成立し、上城は天文年間(1532〜55年)に今の形になったとされ、上城が今見る形になった時の城主は白井民部丞であったとされます。白井氏は元亀騒乱後には織田氏に従ったようです。

上城の虎口形状と石積み?    上城の主郭切岸と主郭へのスロープ
下城の三重堀切のひとつ(郭側)
城跡遠望
地理院地図加工 ※道が無く危険ですので掲載します。
加茂下城
加茂下城切岸
加茂下城の郭
加茂下城の郭側の堀切
加茂下城の真ん中の堀切
真ん中の堀切   加茂下城   尾根側の堀切
加茂上城
主要部最初の郭    薄い堀切と土橋
主郭手前
主郭
主郭へのスロープと帯郭
虎口?横の石積み?
石積み?から虎口?
主郭へのスロープと帯郭(西側)
帯郭(北側)    主郭の大木
主郭背後の堀切(斜め上から)
主郭背後の堀切(横から)

近くの城・関連の城:新保山城 竹長城 東谷城