近江/ 多羅尾代官陣屋



ファイルNo0860

山深い郷に残る陣屋跡

            陣屋正面と石垣   

@ たらおだいかんじんや 
 別名:多羅尾屋敷・多羅尾代官所・信楽御役所

A住所:甲賀市信楽町多良尾  
    
旧:甲賀郡信楽町
B目標地点:多羅尾小学校の南200m

C形式:平城  D比高:−−m 
E現況:宅地 

F遺構等:郭・石垣
G時代/人物:江戸期/多羅尾氏 
H満足度: 凸凸

I最寄の駐車位置からの主郭までの所要時間:
   1分
J撮影・訪問時期:2001年04月・2006年10月 
        2016年10月 2017年11月 他

  
正面の案内板(2006年)

【道案内】 

国道1号線で湖南市(旧甲西町)方面から来ると、西名阪という信号の50m先の信号で右折し甲賀水口中心部に入ります。県道549号線を進みすぐの本綾野の信号で右折して水口町市街地(現:甲賀市)を抜けます。近江鉄道を越えて600m先の内貴橋北の信号で右折し県道122号線(旧:国道307号線)に入ります。道なりに1.5Km先の三大寺北の信号で県道4号線と合流し進みます。庚申口の信号で右折し国道307号線に入ります。約13Km先(信楽駅入口の信号を過ぎて400m先)の長野の信号で斜め左へ県道138号線に入ります。
さらに700m先右折し、いったん国道422号線に入り、またすぐ左折し県道138号線に入ります。2.5Km先右手JAの先で左折する道があり、ここに小川鶴見城(小川城<本城>)の案内板があります。そこからさらに4Km先が多良尾地区です。ゴルフ場の入口を越えると橋の手前で道が十字路です。左折は多羅尾温泉、右折は多羅尾集落ですが、このまま橋を渡って直進します。多羅尾小を川越しに右手に見ながら進みます。500m先で集落の道と再度合流しますので、ここで左折します。200m先右手がお屋敷です。

栗東市からですと、名神高速道栗東インタから県道55号を進み、2.4Km先の北の山の信号で右折し、県道12号線に入ります。14Km先(「道の駅こんぜの里りっとう」から6Km先)の信号で左折し、県道16号線に入ります。大戸川沿いを進み、8Km先の牧の信号で右折し、国道307号線に入ります。6Km先が県道138号線の分岐交差点の長野の信号です。



【訪城備忘録】

2014年までは個人宅で見学はできませんでしたが、2015年〜「信楽まちなか芸術祭」の一環として2ケ月公開されました。
表門までの坂道、表門周囲の石垣は切り込み積みで江戸期の小城郭という趣です。表門南側に広い蔵屋敷跡があって、これは天領として管理された蔵米のためなんでしょうね。そこには井戸が残り、今でも水が透き通ってました。表門の坂を登ると主屋があったところです。最近までご子孫が住まわれていた建物が残っています。手前に表庭園跡、奥に北庭園跡と伝代官蔵がありました。さらにその先には裏門の坂が有、側面には石垣、及び、下りたところにも石垣が残ります。 表庭園と現在の主屋の境に江戸期の主屋の式台の石組が残っていてこれに信楽焼の大瓶がふたつ埋めてありました。これは、音響効果のために埋めてあると説明板に書かれていて、調べてみると能舞台の音響効果に使われる技法のようです。大瓶を埋めておくと、不要の周波数の音が吸収され、いい音だけが響くらしいです。長年入れなかった陣屋跡に入れて満足でした。

2017年11月
去年から秋・春と期間公開されるようになったようです。秋は10月初めから11月末までの期間です。昨年は10/23の訪城でしたが、紅葉はまだまだでしたが、今年は11月初めで良く色づいています。

【歴史】

多羅尾氏は公家近衛家の庶子の高山師俊を祖とします。近衛家の荘官として勢力を拡大したようです。天正十年(1582年)の本能寺の変の際、徳川家康の伊賀越えに多羅尾光俊が協力したとされます。文禄四年(1595年)に豊臣秀次事件に伴い多羅尾氏(小川城)は領地を没取されますが、この後許され多羅尾に居住しました。慶長五年(1600年)の関が原の戦い後、徳川家康より1500石を与えられて、寛永十五年(1538年)に多羅尾光好は天領の代官となりここに屋敷を築き明治まで世襲しました。なお、四日市市(三重県)の四日市陣屋も多羅尾氏が代官を兼務した陣屋で、多羅尾氏は近江・伊勢・播磨などで5万石ほどの天領を管理しました。


  
  
正面遠景(2006年)
  
2001年撮影
  
現地案内板より
表門坂道と石垣
主屋への石垣と坂道
主屋下石垣
伝蔵屋敷               伝蔵屋敷井戸
主屋への坂道と石垣
表庭園跡              式台石列と大瓶
伝代官蔵              北庭園跡
蔵から現母屋方向
斜面の石垣
  

近くの城・関連の城:小川城

          

裏手の路地(裏門)の(石垣)
主屋前説明板            陣屋の斜面
蔵屋敷から主殿方向
主殿への坂道
紅葉 2017年